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階段・廊下

日本で言うバリアフリーとは高齢者や障がい者など、
社会的弱者が生活を営む上で物理的に起こる障害を取り除くためのしつらえをいいます。
段差を減らしたり、ドアの巾を広くしたりして少しでも楽に動けるように配慮します。

バリアフリーを考えれば建物も水平移動だけで生活できる平屋型が理想です。
誰でも歳をとれば動作も緩慢になりますし、2階に上がる耐力も衰えてきます。

十年前に80歳になるクライアントさんからリフォームの設計を依頼されました。
既存の建物は大きな2階建てでした。
家族が増えることに増築を繰り返したので小さな個室ばかりが目に付きます。
その家にクライアントさんは現在ひとりで生活をしておりました。
急な階段の上がり下がりは体が辛いとのことで15年前から2階は使っておらず、
たまに遊びに来るお孫さんに2階のものを運んでもらうとのこと。
その建物のリフォームは80歳のクライアントさんがひとりで快適に住んでもらうために
「減築」という手法をもちいてリフォームをしました。

使われていない部屋を取り壊して家をコンパクトにしたのです。

部屋を増やすことを増築といいますが、部屋を減らすので減築という訳です。
2階は一部屋だけを残してお孫さんの宿泊室にしました。
階段の巾と段数を増やし、途中に休める踊り場や手摺を設けて80歳のクライアントさんでも
ゆっくりと上がり下がりが出来るようにしました。

個室同士を繋げてワンルームのLDKにして、その横には南向きの寝室を配しました。
造り付けの収納や腰の負担が少なく寝起きが楽なたたみベットもつくりました。
毎年、送られてくる直筆の年賀状にはお健やかに暮らしている様子が書いてありました。

話を戻します。500万円ぐらい住宅はコスト面を考えて2階建としました。
限られた床面積を有効に使うためになるべく部屋を広げたいところです。
階段は最小面積で上り下りが出来る真っ直ぐな「鉄砲階段」が理想なのですが、
真っ直ぐなゆえに足を踏み外した場合、1階まで落下する危険があります。
我家の壁にはボウリングの球が激突したかのような丸い窪みがあります。

実は我家の階段こそ、この真っ直ぐな「鉄砲階段」なのです。
小学生だった娘が足を踏み外して、映画「鎌田行進曲」よろしく豪快に階下まで転がり落ち、
突き当たりの壁で停止したのでした。
幸いにして心的外傷後ストレス障害のPTSDにはなりませんでしたが。。。。

このことを踏まえて今回は足を踏み外しても途中で止まることが出来るように「まわり階段」としました。

まわる部分で階段板が3枚ほど狭くはなりますが
その先に一息できる75cm四方の小さな踊り場を設けることが出来ます。
毎日、上り下りをすることになるので歳を重ねても苦にならないように考えました。
廊下にもバリアフリーを取り入れます。廊下というのは部屋同士を繋ぐための装置です。

各部屋同士が近ければ廊下も減るので玄関から階段を近くして、
階段を建物中心付近に配して廊下自体を少なくしました。




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自分サイズのフラットハウス

60歳だからこそ家を建てる。住んだ日から人生が前向きで明るくハッピーに花開いてゆくコンパクトな60(ロクマル)ハウスと以前にチャレンジした500万円住宅のお話

shige 500

Author:shige 500



アトリエシゲ一級建築士事務所代表
建築家:湯山シゲユキ

http://atshige.com/

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